5月10日の日記

2004年5月10日
福祉のまちづくり条例もハートビル法もなかったころの話。
千葉駅にはエレベーターもなかった。
朝、電車を降り、ホームの階段へと急いでいると
「すいません。手伝ってください。」
見ると駅員とスーツの男が車椅子の若い男を階段から降ろそうとしていた。
「あ、はい。」と言うと同時にみんなで担ぎ上げ降ろし始めた。
あわわ、もうちょっとゆっくり、、あぶないよぅ、、
なんとか下まで無事にたどりついた。
「ありがとう」
ひとことあると思っていた。
構内を歩きながら、なんでかなともやもやしながら考えていた。
あの人は毎日人の助けを借りて階段を降りているのかもしれない。
帰りの時もそうだ。他にも助けを借りないとできないことがあるだろう。
たまにじゃない。時々じゃない。いつもいつもだ。
毎日毎日いつもいつも助けを借りないとならない。
俺は1年でただの一回、それも迷惑になる程のことでもない。
あえて言わないと決めたんじゃないだろうか。
少しだけ、ほんの少しだけわかった様な気がした。
ホントは全然わかってなかったのかもしれないけど。

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